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書くことからはじめてみよう。

言葉にすることで、何かが変わるかもしれない。

「からだとことばのレッスン3/21」感想

からだをほぐすと、いろんな感覚がやってくる。

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今回のレッスン。参加者は3人。前半は二時間かけてお互いの体をゆらしてほぐした。

一時間近くかけて体をほぐしてもらう。ペアは女性の方。2年近く通っているらしい。初対面。

足をつかまれる。温かい手。体をゆする動きには迷いがなくて、体を安心して預けられる。預けるというより、何もしなくてもどこかへ連れて行ってくれる感じ。身を任してゆらゆら。

右足のかかとが手のひらで包まれる。こそばくてにやにやしてしまう。足に触れる手の感触が、女性の手のひらだとわかる。女の人の手のひら。男の人のそれと何が違うのだろう。

かかとを包まれていると、体のいろんなところが反応した。右足のふくらはぎや太もも、みぞおちの奥の方、へその下の深いところ。あちらこちらが、びびびっと、ぐぐぐっと動く。手のひらからエネルギーが伝わっているような感じがする。とても温かい。

足を揺られ、手を揺られ、首を揺られて、僕は揺れる。

上体を起こされて、足を曲げながら前に放り出し、左右の足の間にからだを沈めていく。大きく息を吸って、大きく吐く。力が抜ける。からだがすっと降りて、延々と沈み込んでいく感じがする。股関節や背中が伸ばされていく。不快な痛みじゃない。背中に当ててもらった手も温かい。力が抜けていくのが分かる。

体を沈み込ませながら、僕は自分の体が沈んでいくことだけを、呼吸が深くなっていくことだけを感じていた。そこから体を起こしたとき、閉じていたまぶたに一斉に光が入ってきて、ああ、世界は明るいところだったのだと知った。と同時に、今まで僕は闇の中にいたんだと思った。外からの光の刺さぬ場所だった。その時僕は闇の中にいて、闇の中にいながらも、ほのかにきらめく光の中にいた。けれど暗闇ではなくて、ほのかな光が淡く無数に点滅しているような感じがあった。何かに包まれていた。体は丸まっていたけれど、狭くはなかった。深い広がりがあるような感じがした。

体を起こして、座ってみる。からだのバランスが変わっている。安定して座れる位置を体が探す。バランスよく座ろうとしたら、腰に張りが出た。その張りのほどける方へ、からだを動かしてみる。すると、からだの力が抜けているのに、からだが安定する場所があった。その時僕はあぐらをかくような格好をしていて、上半身はまっすぐ立っている。けれど、上半身を立てるために力を使ってはいない。いつもの感覚と比べると、上体がかがんでいるけれど、とても落ち着いて安定している。その安定に身を任せると、とても気持ちがいい。からだの中がじーんとしていて、暗闇の中にほのかな光の広がりを感じていた時の感覚が、からだに広がっているような感じがしてくる。この姿勢でいいんだと思えると、さらに楽になる。この感覚は、前にも感じた頃があったから、滑らかにその心地に移っていくことができた。

座ったところからゆっくりと立ち上がる。少し難しい。

からだをほぐしていると、姿勢を変えるときに、どういう動きをすればいいのか分からなくなることがある。体がとても心地いい感覚でいるとき、できることならずっとこのままでいたいと思う。その安定を崩して、別の安定へと移ろうとする。そのとき、自分のからだに、どんな動きをすればいいか尋ねてみる。どんな動きをすれば、からだがつながったまま、じーんとした感覚がなくならないまま、今のような安定を、別の姿勢でとることができるの?それは、考えたってわからない。ただただ、からだが別の姿勢に移っていく、その流れが、からだのどこに生まれるか、どこから生まれるか、それを感じ取ろうとするだけ。

しばらく、動かずに待ってみる。きっとからだの方も、その動きの想像がつかないのだろう、しばらく動かないでいる。でもあるとき、からだは動き出す。動き出している。そのとき、僕は、動こうと思って動いているんだけれど、からだを動かそうと思っているわけじゃない。動こうと思うことと、体が動くこととが、どちらが先ということはなく、どちらが主導ということもなく、あるときこの身に生まれている。からだが動いた時には、動こうと思っていて、動こうと思った時には、からだが動いている。そんな風な感覚とともに、からだは動き出して、一つ一つの動作を確かめながら、膝を立て、腰を乗せ、肩を持ち上げ、両足ですくっと立ち上がる。立ち上がれば、また、からだのバランスを探しにいく。

からだがここにある。からだが生きている。そんな風に感じる。

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今日はこの辺で。

 

おわり